アフターダークの世界

今回ご紹介するのは村上春樹の小説「アフターダーク」です。結論から申しますとこの小説は響く人響かない人がくっきりはっきり明確にわかれるような気がします。村上春樹ワールドは受け入れられない人もはっきりしていますが、僕は結構村上春樹ワールドが好きで、特にこのアフターダークが今まで読んだ小説の中で一番面白かったです。

ある都会の中の一場面と、幻想のような不思議な場面とが同時並行で進んで生き、深夜から早朝にかけてそれが交錯するというのが主なストーリーの流れです。その中で主人公の男性が色々な人と出会い、色々な価値観に触れ、不思議に進んでいる夜にのみこまれていく内容になっています。

この小説の中で僕が感じるのは「あっちの世界」と「こっちの世界」と言う大きな二つの世界があって、実は自分は今「こっちの世界」にいると思っているけど、簡単に「あっちの世界」に入り込んでいってしまうのだ、ということが書かれているということです。「あっちの世界」とは今の自分が知り得ない、未知にあふれた謎で少し恐怖感すら覚える世界。でも実は自分たちはそんな世界とは常に背中合わせで、何かの拍子に簡単にあっち側の世界にいってしまえるのだ、ということがとてもミステリアスに書かれていると思います。小説の面白さの一つですよね。ただこれが現実世界でも言えることだと僕は思います。自分だってもしかしたら犯罪者になってたかもしれない、浮浪者になってたかもしれない。もういなくなってたかもしれない、などなど・・。

不思議な夜の世界「アフターダーク」を是非読んでみてください。