「コーチングの技術 上司と部下の人間学」

人に何かを教える時の教え方の技術であるコーチングの本です。
著者の菅原裕子さんは、企業コンサルティングなどをしている人です。
タイトルにあるように、この本は会社で上司の立場にある人間が、部下に対してどのようにすればうまくコーチできるか、部下がいい仕事をしてくれるようになるかを主として書いていますが、この本に書かれている事はスポーツや音楽など、他の分野のコーチングでもそのまま使えると思います。
この本を素晴らしいと思った所はふたつありました。ひとつはコーチングの基本的な考え方が簡潔に書いてる事、もうひとつはその具体的方法が書かれている事です。
コーチングの基礎として書かれているのは、人を引っ張っていくリーダー的コーチではなく、教えられる側の力を引き出すコーチとなる事です。
そのために、部下の話をよく聞く事、そしてビジョンや目標をはっきりと示す事が目標とされます。
そして、ふたつ目の、そのためには具体的にどのようにすれば良いのかが説明されます。
これはコーチングの基本プロセスとして、最初にラポール(人間関係)の構築、次に現状の確認、次に問題・課題の特定といった具合に、コーチングの手順が簡潔に書いてあります。
これは、人を指導する立場になった時に、ぜひ読んでおくべき本だと思いました。