「スクラップ・アンド・ビルド」を読んで

この物語は28歳で退職して1年足らずの無職の孫と80代の祖父が同居して暮らす様子をユーモラスに描いた作品で、読んでいてニヤニヤするシーンがたくさんありました。

主人公は、宅建から行政書士に目標を変更し、在宅で資格取得の勉強に励みながら、同居の祖父の介護を手伝っています。

行政書士の試験は難関であるにもかかわらず、開業しても廃業率も高く、新卒で入った会社を辞めたら、なかなか良い条件で再就職がなく、ブラック企業やフリーターや厳しい自営業になっていったりするこの国の内包している暗い問題にもさして触れずに友人にも「俺は無職だぞー。」などと語り、明るく淡々と書かれています。

介護の女性の体を弱々しいふりをしながら触るお爺さんとその魂胆を見破る主人公のどちらもどことなく憎めないキャラクターで、TV番組で作者の羽田圭介さんを拝見するとなんだか当人も憎めないキャラクターで、まさしく筆は人なりなんだなと思うような作品です。

女子は、失業しても筋トレなどはほとんど考えないけれども、男子は長く家にいると筋トレを始めたりするんだなとこの本を読んで知りました。

失業しても彼女もいて、失業という閉塞感あふれる状態は、これくらい明るい感じの人でないと乗り切れないと思いました。

羽田さんの他の本も読んでみたいです。